桧の強度

法隆寺の再建で知られている西岡常一棟梁の「木は二度生きる」という言葉は有名ですが、千葉工業大学の小原二郎教授がそれを研究の中で立証しています。

 桧の強度は伐採された時より、年を経ると共に上昇し約二百年後には最大30%程度強度が増します。その後徐々に低下し、伐採時の強度になるには千年ぐらいかかります。
 現在私たちの文明を支える材料、たとえば鉄やコンクリートなどは、古くなるほど弱くなりますが、桧はこの点では大きく異なります。しかし、いきなり法隆寺の話では特別な建物と思われるでしょうが、正倉院ではどうでしょう。
 この建物に使われている材は特別大きな物ではありませんが千年以上持ち堪えております。しかもその中には世界に誇る我国の至宝が収められているのです。石のような堅固な建物でなく、あえて木造の建物にしているこの事実は何を示しているでしょう。
 日本のような高温多湿な気候では、火災や賊の侵略より財宝が腐敗で痛むことを最も恐れたのです。そこで、これに耐えられる建物として木が使われたのです。
 桧は強度の面だけではなく、快適な生活環境を作り出す事においても優れた材料なのです。
 桧が昔から建築用材として大事にされてきたのには、それなりのきちんとした理由があります。また、地物と呼ばれて内地産が喜ばれるのにもやはり理由があるのです。

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